革を通して思うこと

自分が基軸になって動くようになると興味の強い方へ自然に動きます。

そうすると更に興味深い話が聞けたりしますよね。

ここ最近も、今後のことも踏まえ、革を生かすことを考えたくて、ある革問屋さんへ話を聞きに行きました。

いろいろな話をしている最中、 n.numberスタートの革を見ながら、これと同じ感じの革が入手可能か?という質問をしました。

「ない」って。そのひとこと。

ないわけないよね?と思いましたが、無いのではなくて存在させていない…。

今回スタートのn.numberの革は本来革の裏を表側にしています。裏にひと工夫した加工をして表にしている…。

…とすると内側になる部分が革本来の表側。そう、銀面です。


そのような革を“銀付きベロア”と言うそうです。(もと革屋さんが質問するときに言ってました!)

もと革屋さんが革問屋さんに「このような銀付きベロアの台ある?」と聞いてくれたのです。(台とはベースになる土台の革の意味。)

(すごーく売れちゃった場合の安定供給のことも考えて聞いてくれたのです…。多分?(笑)) 勝手にポジティブ想像中!

革問屋さんの返答は「ないよ」でした。

「これだけ厚みがあったら3枚に分けちゃうからねー」って。

ん?どーゆーこと?

ようは、銀(革の表面がある部分)とベロア(肉に一番近い部分)と床(銀面とベロアの間の部分。トコと読みます。)

今はこの3枚に分けて売るそうです。

確かに、一枚で売るより3分割にしたほうがそれぞれに利益が取れます。

今は大量消費はなかなか見込めないので、いかに利益を追求していくか…と。

今回の革で御世話になったタンナーさんでは全く聞かなかった話。

これは本当に大きな差です。

とくに、今回御世話になっている長野県のタンナーさんは、そういう意味での商売っ毛は全くなく、如何に良い感じに仕上げられるかを追求してくれています。

「全てがメイドインジャパンでできますよ!」と言っていてくれて…。

そのような世界もあれば、問屋さんの方では三枚おろしの話。(このお話は今回御世話になっている問屋さんではありません~)

分けて売らなきゃ利益はとれんよ!と。

同じ革の業界でもそれぞれ異なる。

しかもその差が大きい。

もちろんタンナーによっても違うでしょう。

革問屋さんによってももちろん違うとは思います。

確かに今の世の中は昔とくらべると良くはない。

でも今に始まった“不景気”じゃないし、景気の良いときに戻らないし、それがもう当然と思って方法を模索しなきゃならない。

それぞれ真剣に販売ルートも考え直さなきゃならないでしょう。

三枚おろしも需要があればそれはそれでいいけれど…。

(使い方によっては楽しいものが出来そうな気もするけど…🎵)

商品化するための「扱う側」と安いものウェルカムの「仕入れる側」の需要と供給バランスあっての物なのでなにも言えません。

商品問屋と小売店の需要と供給はさておき、タンナーと革問屋の間の温度差はあるんだなーと感じたわけです。

この溝は埋まらないけれど、それぞれの立ち位置の人たちが接点を持つようにしないと永遠に“違うもの”であり続けてしまうな~と感じたのでした。

これは、もの作りする側と、販売する側の関係にとてもよく似ています。

ここ数年で、もの作りする側が直接ものを買う人に向けてアプローチすることが増えてきたので市場が大きく変化してきましたよね。

それは簡単なことではないけれど、「シンプルに伝える」こと、「嘘はつかないこと」がとても大切なことだと感じています。

n.number

革のバッグと小物のブランドです。革も縫製もメイドインジャパンで少しづつ大切に作っています。 素材の持っている本質を理解しカタチにすることで、それぞれの個性が生きてくると考えています。「本質はシンプルで美しい」をブランドポリシーとして邁進しています。